「んくぅ…」
「耐えられそう?」
「うん…」
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中がジンジンします。みんなが、手に汗を握ってこちらを見ているのを感じました。
涙が、どうしても目に溜まってきます。でも、声はあげませんでした。
わたしが泣きわめいたりしたら、みんなが不安になる。そんなこと、絶対だめだ。
裂けそうな痛みだったけれど、それは動いているうちに徐々に和らいできました。
彼がゆっくり動いてくれたこともあったのか、それともわたしの身体がそういう体質だったのかはわかりません。
ただ、前々から恐れていたほどではなかったのは確かで、わたしはホッとしていました。
気が和らいだのがよかったのか、抜き差しされているうちに少しずつ気持ちよさも生まれてきました。
かすかにだったけれど、息が自然に荒くなってきます。
もう、周囲の視線は感じなくなっていました。周りのみんなはわたしが泣かなかったのに安心したのか、もうそれぞれの行為に戻っているようです。
J君の顔は、眉間にしわがよって、かなり辛そうな雰囲気でした。余裕が出てきていたわたしは、声を掛けてみた。
「どうしたの…男の人も痛いものなの?」
「ち、違うよ…」
「じゃあ、なんで…」
「気持ちいいんだよ…出そうなんだよ」
ああ、辛そうなんじゃなくて、我慢してるんだ。
わたしは新しい発見をしたような気持ちになりました。そう思うと、目の前の、彼氏でもない男の子が、とても可愛らしく思えてきたんです。
そう思ったとたんに、わたしは驚きました。
自分のお腹の中が、急に熱くなってきたんです。快感はまだそんなでもないのに、その熱さだけが急速に高まってきます。
自分の中で何が起こっているのかわからない。でも、それは思ったよりも心地のいい感覚でした。
わたしの様子に安心したのか、もう耐えきれなくなったのか、J君の動きは少しずつ早くなってきました。
それに合わせて、今度はかなりはっきりと快感が生まれはじめたんです。
わたしはその、はじめての快感に没頭しました。まだ、声を上げるほどではありませんでしたが、周りのことを気にする余裕はもうなくなっていました。
「んっ…んっ…」
「はあ…はあ…」
しばらくそのまま動いたところで、J君の眉間にひときわ深いしわが寄りました。
「あ、あっ!で、出るっ!」
「んっ!」
わたしの方は、イけなかった。でも、もともとそれが目的だったわけではないし、気にはなりませんでした。
中で彼のち●ちんがびくんびくんと震えるのを感じていると、それなりにやり遂げた感覚は沸き起こってきました。
これが、セックスか…思ってたより怖くなかったし、気持ちいいものなんだな。わたしは、心の中で独りごちました。
ただ、問題はここからだったんです。
「ひ、ひ―――っ!」
部屋に響き渡った悲鳴に、はじめてのセックスでぼーっとなっていたわたしの頭が急に現実に引き戻されました。
慌てて顔をそちらに向けると、室内は地獄絵図になっていました。
なんだかんだで、わたしはすっかりはじめてのセックスに夢中になっていたようで、室内の異変に気が付かなかったんです。
周囲は、女の子のすすり泣く声でいっぱいでした。
「ひいっ…!ぐっ…ぐすっ」
「ぬ、抜こうか…?」
「もういい!そのまま最後までして!…ぐすっ」
「あ、ああ…」
さっき声を掛けてきたCちゃんが、すっかりヤケになってしゃくりあげていました。
相手の男子も、すっかり委縮しています。
もうち●ちんは入っていたけれど、辛いだけみたいでした。
その向こうの、いかにもなベッドの上では、Sちゃんが、小柄な体をふるわせながら、目を真っ赤にして泣いているのが見えました。
「い、痛い…痛いよぉ…」
「ご、ごめん…もうすぐ終わるから…」
どうやら、わたしがそんなに痛くなかったのは、たまたまのようでした。
他の女子たちにはセックスはまだ痛いだけみたいで、相当に辛いようです。
どうしよう。
そう思ったけれど、みんな始めてしまっている以上、手の出しようがありません。
わたしもJ君もおろおろしながら、その様子を見守るばかりです。
もちろん、それは部屋の向こうで待機しているA君も同様でした。
せめてものさいわいは、その地獄絵図がそんなに長く続かなかったことでしょうか。
男の子たちも初めてでしたから、射精までは早かったんです。
それでも、ひととおり終わったとき、わたし以外の女子たちは、もう体力どころの話ではありませんでした。
痛みと疲労感でぐったりしていて、とてもこれ以上続けられそうな子はいません。
ここに来る前冗談で、もし思ったより気持ちよかったらどうする?夢中になっちゃうかもね、といった会話もしていたんですが、今となっては絵空事もいいところでした。
ただ、出血は大したことはなく、体調そのものに問題が出そうな子はいません。
とにかく、どこかの部屋で休んでもらう事にしました。
「どうする?休むよね?」
「うん…もう、無理…あんた、よく持ってるよね、こんなの…」
ゼイゼイ言いながら、Cちゃんはわたしに言いました。
「たまたまだよ、多分。さ、肩貸すから。ここでもいいけど…」
「いや、移る…ありがと…お言葉に甘える…」
横では、A君がSちゃんに声を掛けていました。
「空いてる部屋、移る?」
「…ぐすっ…ごめん、無理そう…」
「つらい?」
「うん…でも、それは我慢するよ…もう明日からは…経験ないからって引け目感じなくて済むんだもの…」
その憔悴ぶりに、罪悪感が湧いてきました。大丈夫だ、心配ない、そんな、まったく根拠のないことを彼女に言い続け、果ては一人だけ気持ちよくなっている自分が、すごく嫌な人間に思えたんです。
彼女はぐったりと横たわり、すぐに寝息を立て始めました。
まるで、今の今まで起こっていた出来事から逃げるように。目尻には、涙の後がくっきりと残っていました。
ひとりを廊下の見張りに立てて、他の女の子たちを一気に他の部屋にうつしました。
彼女たちには服を着る余裕さえなかったですから、かろうじてバスローブを羽織らせただけです。
他のお客さんに見られたら、それこそ事件になりかねません。
とはいえ、本当に閑散期なのか、廊下に他のお客さんは一人も見かけることはありませんでした。
最終的に起きていたわたしと男の子たちは、最後に空いていた部屋に集まりました。
彼女たちの睡眠を邪魔するわけにはいきませんし、朝までここにいるしかありません。
ですが、さっきまでの地獄絵図があるだけに、空気はすっかりどんよりとしていました。
「…なんか、思ってた以上にひどいことになっちゃったな」
ポツリとA君が言いました。
他の男子のうち、ひとりもうなづきました。Sちゃんとしていた人です
泣きわめくSちゃんを目の当たりにした衝撃は、相当激しかったはずでした。
わたしは何も言えませんでした。自分がひとりだけ、そこそこ気持ちのいいセックスをしてしまっただけに、余計に。
また、最初のような沈黙がしばらく続きました。
「なあ、…今こんなこと言うのも嫌なんだけど」
しばらくたったころ、思い切ったようにA君が切り出してきました。
「わかるけどね、言おうとしてること」
「…わかるか」
「だって、一つしかないじゃない」
予想するまでもありません。彼はひとりだけまだ童貞を捨てていない。そして、残っている女子はわたしひとり。
それだけで、情報としては十分でした。
「いいよ。して」
「ホントにか。つらいんじゃないか…」
「わたし、痛まない体質みたい。だから、大丈夫」
「そうなの…?」
さっきまであれだけ悲鳴を聞かされたせいでしょう。A君も、すっかり不安になっているようでした。
でも、わたしは言い切りました。
あらかじめわかってたことだから。
体力が残った女子が、残りの男子の相手をする。最初からそういう話なんだから。
それがたまたま、わたし一人しか残らなかっただけなんだから。
「心配しないで。大丈夫だから。でも、A君は大丈夫?」
「ん?」
「他の男の子たちに見られてて」
「この際仕方ない。ここ以外、もう部屋ないしな」
話がまとまったら、あとはするだけでした。
A君のち●ちんは最初の時のように、すっかり大きさを取り戻しています。
周りの男子たちは、部屋の隅にあつまって視線をそらしてくれていました。
「じゃあ、頼むな。俺、早いから多分あんまりきつくないと思う」
「そうなの?」
「ははは…自分でこんなこと言うの、情けないけどな」
軽く自虐的に笑った後、彼はわたしの股に、股間を押し付けました。
ただ、このときの判断を、わたしは今でも後悔しています。
ただでさえ空気が変になっているのに、無理してまで、みんなが見ているような中でするべきじゃなかった。
せめて次の機会に回すとか、別の選択肢はいくらでもあったように思うんです。
今となっては後の祭りですが。
本人の言う通り、A君は他の男子以上に早かったです。
だから、確かに体力は消耗しませんでした。
ただ、その代わりに、ち●ちんの形が想像以上にわたしに合っていたみたいなんです。
その上、二人目というのも悪かった。
痛みはもうほとんどなくなっていたけれど、その代わりわたしの中も敏感になっていたんです。
それは、普通に考えたら、わたしにとっては悪くないことのはずでした。痛いよりはその方がよっぽどいいです。
でも、その時に限っては、よくなかったんです。
彼のち●ちんが入ってきた瞬間、わたしはベッドの上でのけぞりました。
さっきよりも明らかに、膣の中に生まれた快感が大きかったんです。それも、けた外れに。
自分でも、何が起こったのかと戸惑いました。でも、そんな戸惑いも一瞬で消え去りました。
次の瞬間には、何かが爆発するような気持ちよさが、私を襲いました。
ごく自然に、声をあげていました。
「あ!ああっ!」
自分でもどうかと思うくらい、いやらしい声でした。
J君とした一回目では、決して出なかった声。
A君の動きが、ピタリと止まりました。
部屋の隅にいた他の男の子たちも、びっくりしたようにわたしを見ているのがわかりました。
でも、一度感じてしまったわたしは、もう身体の制御が効かなくなっていたんです。
意識したわけでもないのに、膣全体がきゅんとなり、強く彼のち●ちんを締め付けるのが自分でも分かりました。
まるで、もっと突いてとでも言わんばかりに。
もう一度、声が出ました。もちろん、わたしの意思ではありませんでした。
ただ、出さずにはいられなかったんです。
「あっ…!ああっ…!」
喘ぎながらも、わたし自身、自分の出した声に唖然としていました。
なんで?わたし、こんな声出すつもりなかったのに。
わたし、どうなっちゃったんだろう…
A君は動かないままでした。
それで、わたしの呼吸もようやく呼吸が落ち着いてきます。
ただ、ふと気が付くと、A君の目つきが、なんだかじっとりしたものになっていたんです。
まるで、お隣のサークルの人たちを見つめる時のような…
「なあ…」
「どうしたの?」
わたしは、なかば上の空で返事をしました。
「お前さ、本当にはじめてなんだよな」
「そうよ?」
「そっか…」
「ちょ、ちょっと!…まさか疑ってるの?」
「い、いや、そういうわけじゃないけど、な…」
何とも歯切れの悪い返事でした。でも、考えてみればそう思われても仕方ないのかもしれません。
だって、他のみんなと反応が違い過ぎます。あれだけみんなが泣き叫んでいるのに、一人だけ感じた声を上げているんですから。
自分でも疑問に思っていたくらいなんですから。
まして、女の子の感覚がわからない男子から見れば、なおさらそう見えたでしょう。
コンプレックスを抱えながら、同類として付き合ってきた4年間です。
わたしの身体の反応は、同類だと思っていた女の子が、実は同類じゃなかったと思わせるには十分だったでしょう。
裏切られた。それくらいは思われたかもしれません。
自分でも、それははっきりとわかります。コンプレックスって、そういうものですから。
ああ、しまった。
わたしは思いました。
本音を言えば、4年間築き上げた関係が、こんなことで台無しになるのは悔しくて仕方がありませんでした。
でも、なってしまったものは仕方がありません。やり直すことなんて、できないんですから。
不本意だったけれど、わたしは言いました。
「そう思うならそれでもいいよ」
「…」
「でも、わたしがどうであれ…童貞捨てられることには変わりないよ?A君、捨てたいんでしょ?」
「…そうだな」
決心したように、A君のち●ちんが中で動き始めました。
「ん、んくぅっ!」
やはり自然に出た声でしたが、今度はもう、声を止める気さえ起こりませんでした。
もう遅いと思っていたし、そうだとしたら、我慢するだけばかばかしかったんです。
いざ動き始めてみると、A君のち●ちんはそれくらい、わたしの中にピッタリでした。
気持ちいいところを、あきれるほど的確にえぐってきます。もう、どうでもいいや、そう思うには十分でした。
ち●ちんの感触が、異様に生々しく感じました。
部屋の隅で、かたずをのんで男の子たちがわたしたちのセックスを見つめていました。
ただ、その視線は、すごく冷ややかなものでした。
「ん…くっ…あっ!ああんっ!…ああっ!」
お腹の中で、J君とエッチしたときにも感じた熱さが、はるかにひどいことになっていました。
まるでそれが、わたしの中を内側からトロトロに溶かしていくかのようでした。
でも、その気持ちよさが、その時のわたしには逆につらかったんです。
A君が腰を振るたび、身体がびくんびくんとのたうつように震えます。
でも、その過敏な反応とは裏腹に、声を張り上げるたびにわたしの心はみるみる荒んでいきました。
「んあっ!んくうぅううっ!み、みんな…あっ…そんな、見ないでぇ…!」
「…」
観客のみんなからの反応はありませんでした。
興奮はしているようでしたが、視線はまるで刺さるように鋭かったです。
それがただ、つらかった。
あんな目で見られるくらいなら、SちゃんやCちゃんみたいにすごく痛かった方がまだマシだった。
それに…だいたい、わたし、こんなに感じたかったわけじゃない。
ただ、みんなで劣等感を振り切って、気持ちよく社会に出ていきたかっただけなのに。
これまでみんなと過ごした時間は、いい思い出になるはずだったのに。
それでも、もう自分でもわかっていました。わたしは、エッチなんだ。
体質もあるだろうけれど、そう認めざるを得ませんでした。
何故ならそのとき、わたしは今にもA君に抱き着きそうだったからです。
両手両足で抱き着いて、もっと深く挿入してほしいと思えて、仕方がなかった。
でも、叩きつけるように、暗い目で腰を振るA君に、それはとてもできませんでした。
思いとどまるのには、ものすごい自制心が必要でした。
いずれにしても、その辛くて気持ちの良い時間は、長くは続きませんでした。
わたしもA君も、もう我慢の限界だったんです。
「あっ…!」
膣の中で、ち●ちんがびくりとして、なおさら硬くなった感じがしました。
「あっ…あっ!ああああっ!」
自分でもわかるくらい、大きな声が出始めました。
それに、カンでしたが、わかりました。A君の射精はもう間近です。
それが終わったら…どうなるんだろう。
わたしは、目を閉じました。気持ちよさ以上に、もう彼の顔を見ていられなかったんです。
その時、ぐっと膣の奥まで、ものすごい勢いで彼のち●ちんが深く入ってきました。
そして、一番奥まで入ったところで、重々しく痙攣するように動いたんです。
「あ……………………あああああああああっ!」
「くっ!」
実際にはわたしのすぐ目前だったはずなのに、彼の射精の声は、かなり遠くで聞こえた気がしました。
その次の日の帰り道は、我ながら最低な気分でした。
あれだけ仲が良かったみんなも、誰一人として話しかけてくれません。
それは女の子たちも同様でした。
でも、みんなを責める気にはなれませんでした。
逆の立場だったら、わたしだってどういう態度をとっていたか知れたものじゃないですし。
駅について、わたしは去っていくみんなに手を振りました。
でも、誰も手を振り返してはくれませんでした。
全員の姿が見えなくなってから、わたしは一人、駅の壁に背中を持たれさせ、泣きました。
それが、みんなにあった最後です。
卒業式さえ、わたしは一人で出ました。
校長のありがたいお言葉も、はしゃぐ周囲の人たちも、まったく心に残りませんでした。
今となっては、サークルのみんなの顔を思い出すこともすっかり少なくなりました。
あれからもう、数年間音沙汰さえないんだから当たり前です。
それでも、ふとした拍子に、楽しかった日々を思い出すたびに重い痛みが胸に走ります。
大学生活ごと全部忘れてしまえればいいのに。わたしは本気で、そう思っています。
みんなとの関係が台無しになってしまった今、わたしにとって大学なんて何の価値もないんですから。
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