こたつの中で同僚に手マンされた人妻デパガ(前編)

何年か前、春先になっても全然あったかくならない年があった。
もともと寒い地方とはいえ、5月までこたつをしまえなかったんだからひどい。
寒がりなあたしは、そういう年は昔からありえないくらいつらかったのだけど、その年に限っては悪いことばかりじゃなかった。
ちょっとした遊びをしていたからだ。
遊びというか、一種のストレス解消と言った方がよかったかもしれない。

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今ではもうやめてしまったけれど、その頃あたしはデパートで働いていた。
同じフロアの同僚との仲もよかったし、いい職場だったと思う。
その頃のお決まりのひとつが、特に同世代のみんなで誰かの家に集まることだった。

もともと最初は、仕事上の集まりのはずだった。
職場の上司が店でいろいろ行事をやりたがる人だったから、その打ち合わせというのが本来の目的だったからだ。
とはいえ、すぐにそれは建前に過ぎなくなった。
一応話し合いはするんだけれど、1時間もしたらただの雑談になる。
そのうち誰かが缶ビールを空け、その流れでみんなへべれけになるのがお決まりだった。
要は、ただの飲み会。とはいえ、会社のそれよりはずっと気軽だし、参加者のみんなも気に入っていたと思う。
多い月だと、毎週一度集まって飲んでいた時さえあった。

あたしもその飲み会はとても楽しかった。結婚してからはあんまり大っぴらに遊び歩くわけにもいかなかったから、こういう機会は貴重だったのだ。
それは旦那もわかってくれていたから、気楽なものだ。

ただ、そんな飲み会にもひとつだけ不満があった。
それは、同僚のA君とその彼女であるB子だ。
付き合っていたから仕方ないけれど、みんなの前でも熱々っぷりを見せつけてくれるのだ。見ていられなかった。
どれだけベタベタしていたのかは想像にお任せするけど、恋愛には事欠かない職場で慣れているはずのみんなが彼らには呆れていたということで察してほしい。
しかもあたしの場合は、A君が好みだった分、みんなよりも余計に心中穏やかじゃなかった。
既婚者なのに、そう思ってしまうくらいA君はあたしの好みにぴったりだった。外見を見ただけの話だけれど。

けど、だからといってカップルに物申したところで何がどうなるわけでもないし、第一カッコ悪い。それに、それさえ無視すれば飲み会は楽しいものだったから、あたしはできるだけ気にしないようにしていた。
他の同僚と話し込んでいる分には楽しいんだから、いちいち気にしているのももったいない。
最初から目に入れないと決めてかかれば、A君たちの様子はそこまで気になるものではなかった。とはいえ、心のどこかで不完全燃焼のような感覚が残るのはどうしようもなかった。

あれは確か、春のセールの準備が始まるかどうかという時期だったと思う。
その日も、あたしたちは集まって、みんなでお酒を傾けようという話になっていた。
ただ、その日はみんな残業などが重なって、いざデパート閉店後に集まってみると、集まったのは4人だけ。しかも、問題は残りのうち2人がA君とB子だったことだ。
あたしは正直言って困った。これでは、いつもみたいに他の人と喋って意識しないというわけにもいかなそうだ。
もうひとりは女の子だったけれど、あたしほどじゃないにせよ、困っていたのは同じだったんじゃないかと思う。
これならお開きにしようかとも思ったほどだ。
とはいっても、A君とB子はもう飲む気満々だったから、そういうわけにもいかない。
仕方ない、たまにはこういうこともある。
あたしともう一人は諦めるしかなかった。

普段は割と人数が多いから、広い部屋に住んでる人に頼っていたんだけど、この人数ならそういう必要もない。
話あった結果、あたしたちはA君の部屋で飲むことになった。

こたつに4人で入って、乾杯。
いざ飲んでみた感想は、やっぱり普段とは違った。
人数が減ったからと言って遠慮してくれるようなカップルじゃないし、こちらも気の紛らわせようがない。
ただでさえ仕事上がりなのに、あんなのを見せつけられると余計にドッと疲れてしまう。それだけに、アルコールの効きが違った。
もう一人の女の子は早々に床に寝そべって、そのままいつの間にか眠りこけてしまった。

ただ、意外なことに、続いて潰れたのはB子だった。
あれだけ周囲を気にしていないように見えても、意外と気は細いのか、この人数で飲むのは勝手が違ったようだ。
なんか、今日すごく眠い…そういうなり、突っ伏してしまった。ほどなく、スヤスヤという穏やかな寝息が聞こえてきた。
いい気なものだと思う。本当に。
手持ち無沙汰になったA君が何をするか、B子は考えてもいなかったんだろう。もちろん、あたし自身もそんなことは考えていなかったけれど。

A君の手がこたつの中であたしの足をさわってきたとき、B子が寝入ってから10分と経っていなかったと思う。

ちょっと、何してるのよ!

斜め前からくねくねと触ってくる指の感触を感じながら、あたしは出るか出ないかのギリギリの小声で意思表明をした。
すぐ正面ではB子がすう、すうと静かな息を立てている。
A君は、それでも手の動きを止めなかった。
いいからいいから。
そんなことを同じく小声で言うと、こたつに向かって少し身を屈めるようにした。
手が、ぐっと奥へ伸び、あたしのスカートの内側に入ってきた。内ももを撫でられる。
それだけで、パンストの下でぶわっと汗が噴き出した。
こたつの中の温度が、跳ね上がった気がした。

まんざらでもないだろ?
ニヤニヤしながら、A君は言った。女の子に不自由したことはないだろう彼だ。あたしに対しても、これくらいはなんてことないという自信があったんだと思う。
それにしたって、人妻のあたしにこんなことをしてくるなんて、すごい度胸だとは思うけれど。

ただ…すごく不本意だけど、彼のまんざらでもないという言葉は大当たりだった。
あたしは、まずい、まずいと心では焦りながらも、一方で自分でも興奮を抑えられなかった。

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