5分もそうしていると、自分でも、パンストに包まれた自分の下半身が湿ってきているのがわかった。ショーツももう汗まみれだった。実際のところを言えば、汗以外の液体もずいぶん混じっていたかもしれない。
でも、どの程度それが外にしみ出していたのかは自分でもわからなかった。
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濡れているのを自覚できたのは、A君の言葉だった。
いきなりぐっと奥に進んできたA君の手が、あたしの股間を越え、パンストの端を掴んだ。
そこから、強引に内側に入ってきたその手は、くねくねとした動きであたしのショーツの中にまで遠慮なく入ってくる。
なんだ、お前結構ここの毛、生えてんだな。
バカにしないでよ。
お手入れはしているから、ちょっと腹が立って言い返した。
でもA君は気にする様子もなく、なんでもない風にあたしの中に指を入れてくる。
俺、指でイカせんの、好きなんだよ。
つぶやくように言う。
エッチが好きなんじゃなくて?
そりゃそれも好きだけど。でもさあ、それとこれとはちがうんだよなあ。第一、腰振るのっておっくうじゃん?
それが本当かは知らない。
ただ、事実だけを言えば、あたしの中を指でかき回す彼は、ただただ楽しそうだった。
どう?
あたしの反応を期待しているようだった。
本当に、こういうのが好きだったんだろう。
も…もう……気持ちいいよ…。
やはり小声で、あたしはそう返した。
ハッキリ言えば、彼は決して上手くはなかった。
足の上だとそこまではっきりとは分からなかったけれど、あそこの中をいじられると、雑さがはっきりわかる。荒っぽくないのが救いなだけで、テクとしては旦那はおろか、今までの歴代の彼氏で一番下手だった人よりさらに下だった。
ん…
それなのに。
その時あたしは、足をすり合わすように小刻みに動かしながら、耐えていた。
そんなふうになっていたのは、テク云々じゃなく、単にいじっているA君が好みの男だというだけの理由だった。
まあ…いっか。彼の言葉を信じるなら、多分手だけみたいだし…
そう割り切って、あたしは口を堅く閉じた。
そうしないと声が漏れてしまいそうだったからだ。
幸い、B子の寝息は、さらに静かになっている。
本格的に寝に入っているようで、起きる気配さえなかった。
べったりとこたつの板の上に乱雑に散らばった髪が、頭のかすかな動きに引っ張られているのか、微妙に動いているようにも見える。
その動きが、徐々にブレてみえはじめた。
あたしも本格的に感じ始めたからだ。
中に突っ込まれた指が、ぐにゅっと曲がった。
どうやら、あたしが一番感じる所を探しているらしい。
いい度胸だと思う。B子が万が一目を覚ましたらどうなるかは明らかなのに、A君はまったくそれに気づいてさえいないようだった。
自信があるというのも考え物だ。
どう、いい?
しつこい。何度聞いてるんだ。こうなってみて初めて分かったけれど、A君は思った以上にバカだった。でも、その自信過剰な態度さえ、あたしは心地よく感じていた。
あたしもいい加減バカだとは思う。
ん…く…
歯を思い切りかみしめる。
一旦乗り切ると、声は何とか抑えられそうだった。
その代わりに、いじられてる体の中からは、嘘みたいに汁があふれてくる。
内股の感触で、パンストがぐっしょりしているのはもうはっきりしていた。
いっそこのままおもらしでもしてやろうか。
ふと、そう思った。
おもらしまでいかなくても、潮吹きでもいい。
こたつの下をびしょびしょにしてやるのだ。
さすがのB子も気づいて起きてしまうくらいに、びっちゃびちゃに。
それをやったら、どうなるんだろう…
自分もただでは済まないのはわかっていたけれど、そんなことが頭に思い浮かんでどうしようもなかった。背筋がゾクゾクしていた。認める。あたしは、こたつの中であそこをかき回されながら、間違いなくそれを楽しんでいた。
もっともあたしはおもらしも潮吹きも経験はなかったし、そこまでさせるほどのテクはA君にはなかったわけだけど。
変化の少ないあたしのリアクションに業を煮やしたのか、A君の指の動きはもう無茶苦茶なものになっていて、そこら中を突くようにくねらせる。
ほら、ほら、どうだよ、いいだろ?
つぶやくA君をしり目に、少しずつ、少しずつあたしのお腹の奥底で、ひりつくような感覚が起こり始めた。
単純な快感とは別に、それが大きくなるところまで大きくなると、あたしはイく。
おもらしとかは別にして、この勢いだとそれはもう近かった。
ん…ん…
あたしはそれでもやはり声は抑え続けた。
いろいろ考えても、あたしはやっぱりその後のことを考えてしまう。
ただ、それがますますあたしを高めた。
もう、近い。すごく、近い。
A君が最後にトドメとばかりに中指を曲げたとき、たまたまだと思うけど、その先があたしの一番いい所にぐにゅっとめり込んだ。
あふっ…
拍子抜けするような息が、思わず口の端から洩れる。
緊張し続けたあたしのおま●こが、限界を超えたように緩む。ゆるむというのはあたし自身の感覚だから、実際どういう動きをしているかは自信がない。
ただ、それまで中に溜まっていただろう液体がどっと流れ出てきたのは確かだったから、そう間違ってはいないと思うけれど。
もちろん、どっととは言っても、あくまであたしの身体を濡らす程度だった。
でも、こたつ布団の中で暖められたスカートの中の濡れ方は、思った以上に変な気持ちの悪さがあった。
それを感じながら、あたしは何度か脚をぴくっと動かして、イった。A君の不満そうな様子を、目の端でとらえながら。
B子はとうとう最後まで起きる様子はなかった。
あたしの反応はA君のチャレンジ精神を掻き立ててしまったようで、その冬が明けるまで、あたしはたびたび彼に手でイかされた。
とはいえ、あたしの方も危機感は感じていた。いくらA君が好みとはいえ、そして手だけとはいえ、旦那とB子、両方に対して危なすぎる。
でも、それはわかっていても、あたしはその遊びに興じた。今思えば、バレるかもというスリルも気持ちよさにつながっていたのかもしれない。
だから、その間、あたしは寒さと心の奥底のヒヤヒヤした感じを気にしながらも、楽しみが尽きなかった。
とはいっても、あたしの一向に派手にならない反応にこういう女だと思ったんだろう。
ようやく温かくなってきたころには、彼はこの遊びにすっかり飽きてしまった。
そして、あたしたちの関係はそれだけで終わった。
それでよかったと思う。どう考えたって、先には泥沼しか見えなかったんだから。
それからほどなく、あたしはそのデパートをやめた。
仲はよかったけれど、職場のみんなとも辞めてから会う様な関係にまではなれなかった。
もちろん、A君ともそれ以来会っていない。
顔の記憶も、だいぶ薄れてきた。
それでも、こたつの季節になるたびに、彼の必死の手マンとその下手な手つきを思い出して、あたしはつい懐かしい気持ちになっている。
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